研究内容

研究項目A03 : トランスポートソームの生理機能とその破綻による病態に関する研究

 現在までに解析されている膜輸送分子の大多数は多彩な組織において極めて重要な生理機能を担うことが明らかになっており、それらの遺伝子変異や多様性はヒト遺伝性疾患や薬物感受性を規定することも知られている。また、トランスポートソームは個々に多様な調節を受け、生理的あるいは病態に伴い細胞内でダイナミックな挙動を示す。この研究項目では、トランスポートソームの機能と局在の調節、シグナル系とのクロストーク、及び細胞、組織、個体における生理機能を解明し、その破綻による異常とヒト疾患の関連についても明らかにすることを目指す。いずれの計画班員も独創的な膜輸送機能解析システムを開発・保有しており、細胞、組織、器官、個体レベルにおける研究を遂行する。

<計画研究6班>

計画研究11 : 仁科 博史 (東京医科歯科大学・難治疾患研究所・教授)
   G蛋白質・MAPキナーゼ系によるトランスポートソームの局在と活性制御
計画研究12 : 根本 知己 (生理学研究所・准教授)
   トランスポートソーム小胞輸送における膜融合機構の多光子励起過程を用いた可視化解析
計画研究13 : 宮本 賢一 (徳島大学・ヘルスサイエンス研究部・教授)
   無機リン酸トランスポートソームの機能制御とその破綻
計画研究14 : 鈴木 洋史 (東京大学・医学部附属病院薬剤部・教授)
   薬物トランスポートソームの機能とその制御機構の解析
計画研究15 : 寺崎 哲也 (東北大学・薬学研究科・教授)
   血液脳関門トランスポートソームの生理的役割
計画研究16 : 内田 信一 (東京医科歯科大学・医学部・准教授)
   疾患起因性変異蛋白の解析による腎臓の水・電解質トランスポートソームの解明

<平成20・21年度 公募研究13班>

公募研究21 : 下川 哲昭 (群馬大学・医学系研究科・准教授)
   トランスポートソームの機能破綻による神経性異常とヒトにおける病態解析
公募研究22 : 清水 誠 (東京大学・農学生命科学研究科・教授)
   食物質による腸管上皮トランスポートソーム制御の機能的解析
公募研究23 : 柿澤 昌 (長崎大学・医歯薬学総合研究科・講師)
   小胞体膜トランスポートソームにおけるシグナルクロストークと神経機能制御
公募研究24 : 洪 繁 (名古屋大学・医学部付属病院・助教)
   CFTR-SLC26輸送体複合体のイオン輸送機能における低分子G蛋白質の役割
公募研究25 : 木下 専 (京都大学・医学研究科・講師)
   膜骨格系による膜輸送複合体の安定化機構
公募研究26 : 乾 賢一 (京都大学・医学部附属病院薬剤部・教授)
   ヒト薬物トランスポートソームの発現プロファイル構築に基づく薬物動態学的意義の解明
公募研究27 : 金川 基 (大阪大学・医学系研究科・特任助教)
   細胞膜安定性維持システムの破綻によるトランスポートソーム異常と病態
公募研究28 : 永井 義隆 (大阪大学・医学系研究科・准教授)
   SLC7ファミリーが関わる神経変性疾患ポリグルタミン病の病態解明と治療法開発
公募研究29 : 三木 隆司 (千葉大学・医学薬学府・教授)
   KATPチャネル複合体によるCa2+動員制御
公募研究30 : 水島 徹 (熊本大学・医学薬学研究部・教授)
   NSAIDs輸送タンパク質TETRANの生理的機能と病態における役割
公募研究31 : 首藤 剛 (熊本大学・薬学教育部・講師)
   ABCトランスポーター分子複合体の機能・局在調節とその破綻による病態発症機構
公募研究32 : 佐竹 伸一郎 (生理学研究所・神経シグナル研究部門・助教)
   グルタミン酸輸送体の機能・局在調節と異種シナプス間拡散性クロストークの生理的関連
公募研究33 : 馬場 義裕 (理化学研究所・分化制御研究グループ・研究員)
   ストア作動性カルシウムチャネル複合体の形成機構とその生理的役割

<平成18・19年度 公募研究13班>

公募研究24 : 森口茂樹 (東北大学・薬学研究科・助手)
   小胞体機能異常による細胞内カルシウムシグナルと記憶学習の障害
公募研究25 : 三輪佳宏 (筑波大学・人間総合科学研究科・講師)
   in vivo イメージングによるトランスポートソーム生理機能の解析
公募研究26 : 下川哲昭 (群馬大学・医学系研究科・助教授)
   受容体の膜輸送を制御する分子複合体構成蛋白質CIN85の役割と機能欠失の解析
公募研究27 : 薩秀夫 (東京大学・農学生命科学研究科・助手)
   食物質による腸管上皮トランスポートソーム制御の機能的解析
公募研究28 : 田中光一 (東京医科歯科大学・疾患生命科学研究部・教授)
   グルタミン酸トランスポーターの発現細胞による機能的差異
公募研究29 : 木下専 (京都大学・医学研究科・助教授)
   パーキンソン病におけるセプチン系スカフォールドの破綻とドパミンニューロンの障害
公募研究30 : 乾賢一 (京都大学・医学研究科・教授)
   ペプチドトランスポートソームの実体解明と発現・局在調節における生理的意義
公募研究31 : 木下彩栄 (京都大学・医学研究科・教授)
   プレセニリンを介したカドヘリンーカテニン複合体とシグナル伝達のクロストーク
公募研究32 : 三木隆司 (神戸大学・医学系研究科・助教授)
   ATP感受性K+チャネル分子集合体の機能とその破綻
公募研究33 : 杉田誠 (広島大学・医歯薬学総合研究科・助手)
   ABCトランスポータ(CFTR)の成熟化・分解・形質膜移行を制御する分子複合体
公募研究34 : 水島徹 (熊本大学・薬学研究部・教授)
   NSAIDs排出ポンプTETRANの機能解析と臨床応用
公募研究35 : 金井正美 (杏林大学・医学部・講師)
   発生過程におけるトランスポートソームの時間的・空間的分子改編
公募研究36 : 岩本隆宏 (福岡大学・医学部・講師)
   Na,Ca膜輸送分子複合体の機能制御とその病態機序の解析

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